プロのアロマセラピストは必ず守る。知っておきたい精油の性質と注意事項

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「リラックスにはアロマだね」というように、精油を使う人が増えてきました。

ただ、手軽に精油が手に入る反面、精油のことを本当に理解して使っている方は意外と少ない印象です。時々、一般的な香水などと同じように、素肌に原液を塗布したり、誤った使い方をしている方をお見かけます。

その精油を勧められた時に「使用上の注意の説明は受けましたか?」とたずねると、ほとんどが「NO」と答えられます。

お仕事で使われている方でも、マッサージオイルのついたタオルを乾燥機にかけてしまって発火したというようなケースも実際にありますから、ある程度の基本知識は持って使いたいものです。

今回は確認の意味を込めて、「精油の特性」についてまとめてみました。

精油(エッセンシャルオイル)とは?

精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、果実、根、種子、樹脂、樹皮、心材などから抽出された100%天然の芳香物質、香りのエッセンスのような物です。植物が生存や種の保存の為に自ら作り出したもので、抗菌、抗ウイルス、鎮静、昆虫忌避作用など様々な作用を持ちます。油という字が使われていますが、油脂ではありません。

水蒸気蒸留法や圧搾法などにより抽出されるので、複数の成分が非常に高濃度で含まれています。精油の種類によって含まれる成分が異なり、香りや精油のもつ作用も様々です。例えば、アルコール類80%というようなものから、中にはケトン類が50%も含まれるような精油までありますから、取り扱いや保管方法には注意が必要です。

精油の特性

芳香性: 強い香りをもつ(精油によって香りが異なる)

揮発性: 空気中に放置すると揮発する

引火性(可燃性): 引火の可能性がある

親油性(脂溶性): 水に溶けにくく、油に溶けやすい(アルコールにも良く溶ける)

⑤光・熱・酸素によって成分変化が起こる。

⑥天然の化学物質である有機化合物の集合体

⑦分子量が小さい

⑧様々な薬理作用をもつ

必ず守ってほしい事

このような性質をもつことから、以下のことはしっかり守りましょう。

①飲用しない。

②肌につける時は希釈して使う。(原液を肌につけない/希釈濃度に注意する)

③変質を避けるため、冷暗所で保管する。(夏場は冷蔵庫での保管がおすすめ)

④アロマセラピー専用の容器で保管する。(遮光ビンが最適。専用容器以外を使用した場合、容器の成分が溶けだす可能性があります。)

⑤使用前に、精油に対してアレルギー反応が起きないか、使用上の禁忌を確認する。 

⑥子供やペットの手の届かないところに保管する。

⑦火気の近くでは使用しない。(エタノール・精油入りスプレー+ライターの使用も注意!) 

⑧特に、精油+植物油が付着したタオルは、洗濯後も乾燥機にはかけない。(発火の恐れがあります)

⑨開封後は1年以内に使用する。(柑橘系は6カ月以内)

この辺の注意事項はしっかり押さえておきましょう。

精油の誤った使用や過度の使用は、感作(特定成分へのアレルギー反応)や皮膚等にトラブルを起こす原因となる可能性もありますし、個人差があることを忘れてはいけません。自分にとって良いものが、他の人にとって良いとはかぎりません。

「芳香浴」<「肌につける使い方」の順で注意事項が増えていきますので、既往症がある方、高齢者や身体が衰弱している方、妊娠中、子ども、皮膚が弱い・アレルギーがある方が使われる場合には、専門家や医師に相談されることをお勧めします。

●ペットや小動物への注意

つい見逃されがちですが、ペットや小動物は嗅覚が敏感で、精油の代謝能力が人間とは異なります。ペットや小動物に悪影響を与える場合もありますので、ペットがいる環境での精油の使用はなるべく控えるのが無難でしょう。または、獣医師に相談の上ご使用ください。

アロマセラピストが精油を使う際には、クライアントが禁忌などに該当しないかを注意深く確認しながら精油を選んでいます。場合によっては、精油を使わないという選択肢もとります。ですから、いくら精油が高品質であっても、誤った使い方を提案されたときは、その使い方に問題はないのか一度立ち止まって考えてください。

プロフェッショナルであればあるほど、「絶対に良いから使ってみて!」などと、強引にお勧めするようなことはしないはずです。

注意事項ばかりを書きましたが、ここに書かれていることを守りさえすれば、あとは気軽に精油を楽しむことができます。

ご参考になれば嬉しいです♪

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